ハングルの詩のある風景: 素月と鉄橋 第9回
歌樽先生:全く違うとは言いにくいところもあるのですが、ともかく違っています。
詩子アナ:詩のタイトルは何ですか。
歌樽先生:タイトルは「남의 나라 땅:他国の地」です。
詩子アナ:「他国」というのが中国であれば、ここで鴨緑江が出てくるのは自然の流れのようにも思えますが、そうだとすると、どこがポイントになるのでしょうか。
歌樽先生:まずは歩道です。
詩子アナ:8フィート、約2.4mの歩道ですか。それがキーとなるハングルなんですね。
歌樽先生:いえいえ、詩の中には歩道という言葉は出てきません。
詩子アナ:キーとなるハングルではないけれど、しかもその言葉は詩には出てこなくて、詩のポイントになるものが「歩道」という理解でいいですか。
歌樽先生:はっきりそれだとは断定しかねるところもあって、だからこれまで以上に難しいんです。
詩子アナ:これは今までにないパターンですね。では、キーとなるハングルではなく、歩道の2.4mとの関連を断定しかねるハングルというのは、なんでしょうか。
歌樽先生:そのように直接結びつけられると、短絡的だという非難を受けはしないかと心配なのですが、ともかくそういうことは覚悟のうえで、キーとなるハングル、やってみましょう。
詩子アナ:ここでようやく今回の詩のキーとなるハングル、いただけそうです。では、どうぞ!
歌樽先生:「얼결에」です。
詩子アナ:では、確認をしておきましょう。歩道の2.4mとの関連を断定しかねるとはいえ、詩を理解する上ではポイントになる今回の詩のキーとなるハングル「얼결에」、いただきました! こう長いと調子が出ませんね。どんな詩でしょうか。
歌樽先生:2つの詩を並べてみましょう。並べてみると、違いが一目瞭然ですが、似ていると言えば似ているところもあって、気を抜いてはいけませんよ。
A: 『東亜日報』 1925.1.1 |
タイトル: 남의나라땅 |
1行目: 돌아다 보이는 무쇠다리 |
2行目: 얼결에 뛰어 넘어오니 |
3行目: 숨그르고 발 놓는 남의 나라 땅. |
B: 詩集『진달래꽃』1925.12.26 |
タイトル: 남의나라땅 |
1行目: 돌아다 보이는 무쇠다리 |
2行目: 얼결에 띄워 건너서서 |
3行目: 숨그르고 발 놓는 남의 나라 땅. |
詩子アナ:気を抜くなということですが、しっかり見てもあまり違いが分からないのですが。
歌樽先生:どこかに違いがあります。問題にすれば、気を抜くわけにはいかないでしょう。
第10問:上の2つの詩のどこが違うでしょうか。
1)タイトル 2)「보이는」の後ろ 3)「얼결에」の後ろ 4)「발」の後ろ
詩子アナ:あの、「後ろ」ってどこまでですか。
歌樽先生:すぐ後ろの一語にしましょう。
詩子アナ:一語ですか。
歌樽先生:分かったようですね。